SSW養成講座の印象について
講座を受けるにあたって、“面接の腕が上がる技術を効率よく教えてもらえるだけで十分と思って参加したのです(すみません)。そして、正直、最初の頃は、この講座がどこに向かって進んでいくのかなかなかつかめずにいてとても不安だったのを憶えています。
でも、講座が進むにつれて、自分自身が揺さぶられるような不思議な感覚を味わいました。もしかしたら私自身も米川先生が私の方向性を示せるのかを試していたのかもしれません。そのような私に先生がその行為に大きく応えようとしてくれていたのかとも思います。
そのため、毎回、講座の終わった後には、とても自分と向き合うことが苦しかった半面、自分をしっかりと持つことを感じつつあったように思います。
そして、講座が終了したときは、自分の“専門職として?”“心の持ちようの?”基盤が安定し今までにない色合いの人間になったように感じました。なにより、それまで以上に積極的になったという印象が残りました。
なお、いま、教育相談員として10年以上携わっていられるのも、講座以外でも学会発表や本書執筆などの機会を与えてくださった米川先生のおかげかもしれません。とっても先生には感謝しています~。
講座を通して実際の仕事に役立ったこと
色々ありますが、とくに職場のカンファレンスの時に、今までは心理面からの意見しか言えなかったのですが、講座でケース会議の進め方・分析・配慮する点などを教わることによって、いろいろな立場から柔軟に発言できるようになりました。講座での多職種のケース会議の学習がとても勉強になりました。
スクールソーシャルワークを学ぶ前と、学んだ後のスクールソーシャルワークに対する考え方の違い
スクールソーシャルワークとは、非常に【幅の広い】ものという考えに至りました。
これまでは、子ども、子どもという支援観ばかりでしたが、困難に直面している子どもを取り囲む環境すべてに関わるということ・・・子ども・保護者・学校関係者・福祉関係の諸機関・医療機関・地域の諸関係機関など、子どもに関わる全ての人々・組織が対象となり、その活動の幅が広いというのがわかりました。また、学校教育・福祉・心理・医療などいろいろな視点から解決策を探っていくというのもわかりました。
教育現場で活動する教育相談員としてのやりがいや楽しさ
子どもとその家族や周囲の人たちの間に立ち調整していくところが、積極的に関わっている感じがして楽しいです。また、各個人が元来持っている能力を生かしそれを発揮できるようサポートしていくところもやりがいを感じます。
個人や全体の変化に関与できることも魅力あるところですね。
スクールソーシャルワーカーに求められるもの(資質・技能)
私自身は教育相談員ですが、教育現場で活動する者として求められるものということで、お応えするならば、その子どもの何が問題でどこを調整したらいいのかを把握し、そのニーズに合った援助をどれだけ適切に支援できるか、また、子どもが持っている可能性をどれだけ理解して伸ばしてあげることができるか、また、周囲の関係者たちとどれだけ信頼関係を築き、それぞれの働きかけをどれだけ高めてあげられるかなど、多様な力が求められていると思います。そのために私も日々研鑽を続けています~。
今後の自分自身の専門職としての課題
【広く深く】
子どもに関係する諸機関や人々と連携できる力を養い、教育・福祉・心理・医療などいろいろな角度から子どもや家庭が抱えている問題を見通せる目を養うことですね。
子どもの側に立って・親の側に立って・学校側に立って・医療福祉の側に立って・・柔軟に自由に動ける、柔らかい思考を持つこと、今後ずぅ~と持つべく課題だと思ってます。
後輩へのメッセージ
私が一番大事にしていることは、人としっかりと向かい合い関わり続けるということ。関わり続けていれば、人は必ず変わってくると信じていることです。
ぜひ講座を通して、皆様が自分を信じれるようにもなっていただきたいと思います~。
その他
現在では、教育相談員を育てることも担い、担当地区では初の10年以上勤務の教育相談員となっておられます。また講座中以降以下の業績等があります。
菊池やす子 米川和雄他(2009) 「多職種ケース会議におけるケース担当者の認知的・行動的変容の効果-スクールソーシャルワーク演習方法の提案-」 第11回日本子ども健康科学会学術集会
菊池やす子(2010) 「学校教育に関わる様々な専門職の実践:教育相談員1(第5章第3節)」米川和雄編著 『スクールソーシャルワーク実習演習テキスト』 北大路書房 pp108-109.
菊池やす子(2012) 「子育て支援Q&A(新任SCに対するSVを担当)」子育て支援と心理臨床(5月号), 154-155.
講座の皆様を応援する米川講師(中央)と修了生一同
講座の皆様を応援する米川講師(中央)と修了生一同 「お会いできる日を楽しみにしております!!」