今回は第7期生 坂本さん(左)、第8期生 佐藤さん(右)にこの2年間~3年間についてお話しをお聞きしました。
養成講座の印象はいかがだったしょうか、講座受講する前との違いはありますか
佐藤 そうですね。毎回毎回楽しみで楽しみで、次は何するんだろうと麻薬みたいな感じでしたね~(笑)
毎回、講座後の1週間は、米川先生が言われた発言についてずぅ~と反芻した自分がいました。そういう意味では、米川先生の発言のことばかり考えてました(大好き?いや学びになる、笑)!
例えば、自分が受け入れられない発言があった場合、どうしてそれを受け入れられないのか?受け入れるとどうなるのか?という感じですかね。面白いことにそれを考えいくと、それまでと違う自分になっていくというか、いい意味で自分が変わっていくんですよね。
そうそう!先日、2年前のレポートを見てみたのですが、今の自分の考えと比べると全然考え方が違うんですよ!もうびっくりです~(笑)
坂本 レポートと言えば、私はレポートきつかったなぁ~!
でも文章化していくことで自分の考えがまとまっていき、理解を深めることができて、だからそれも必要なんだって思いました。佐藤さんの言うように2年前の自分が書いたことを見ても今の成長がわかるところがありますよね。
佐藤 そうやって自分が変わることで、面白いことに、本当にストレスフリーになってくんですよね。それでもっと幸せになった!って感じです。
以前は、とくに物事の様々な側面に対して嫌な面を捉えてしまうところがありましたが、それぞれの良い面を見れるようになりました。不満でないところに焦点を置くようになったんですよね。
それと、やっぱり普通では会えない色々な方とお会いできるのも本当に学びになる要素ですかね。行政で働く方、学校の先生、様々な福祉職の方や現役のSSWrの方、年齢差等、合同で学習するからこそ思いつきもしないことを聞ける機会となっていました。その人がいると物事の新しい側面が動くなんてこともありました。
坂本 毎年新しい方とお会いでき、講座内容も変わっていって新しい先生ともお会いでき、毎年参加したいなと思えるくらいの他にない講座だと思う。また単発でも参加するかもです。
しかも格安!他の学校だとこんなに安くない!
佐藤 そうそう。個別のフォローもありましたよね。
坂本 それと、一番、ここで、学んで変わったなあと思う点は、“多様性の尊重とは何か”という点ですね。それまでと違う側面から多様性の意義を捉えることができました。例えば、それまでは自分が専門性を一人で高めていく、という点を重視してきたのですが、その分野の専門家がいるならばチーム(学校)として子ども等に働きかけていくことで、一人の専門性の高い人が一人で対応するよりも、子どもの立場に立った、さらなる相互作用や相乗効果を生めるという点がわかったところですかね。自分の専門性だけを高めればいいというものではなく、頼れる専門家を見つけていくことも大切という多様性を巻き込む視点は当たり前のようでいて多様性の尊重の関りとは捉えていませんでしたね。
佐藤 講座の印象と言えば、米川先生は最高ですよね!万人受けせず(笑)スタート合わない人もいるかもしれないけど、“実は”ここまで受講生のことを配慮した先生っていないと思います。帝京平成大学で米川先生の指導を受けた学生さんを見てもそう思います。その人その人がどうしたら伸びるか考えてるコメントがすごい!
今の仕事や実際に役立ったことはありますか
佐藤 実生活に活かせること多かったですね~。ある場で周囲をエンパワメント?していけばいくほど、それまで嫌々でやっていたことを皆さんが楽しくできるようになっていく姿を見ることができました。とくにスモールステップ(行動療法?)で皆さんの思いや発言を実際に行動につなげたときに場の雰囲気が変わっていったんですよ~。
それまでは「チェッなんだよ」みたいな側面から「じゃあどうしたら良くなるか」って皆で考えるようになって、めちゃめちゃ楽しい場になっていったんですよね。
坂本 私は、実際のSSWの場面で、よくテキストや学習で配布された資料を見ながら相談の場で使ったり、管理職への提案に活用したりしてますね。職場にいるだけではわからない行政の動きがわかるのも意味があったと思います。とくに文科省の方が来られたのは大いに強みのある講座だと思いました。新たな制度について聞くだけでも意味があったと思います。
私は学校の教員でもあるから、教育者からすると別の世界の話しを聞けるだけでも学びでした。福祉の方々のお互いを認め合う専門性とは何かを考えさせられました(まだまだ考え中ですが)。
SSWに求められるものとは何だと思いますか
佐藤 求められるもの…なんだろう…「調和?」かな…いや…なんだろう。
やっぱり、子どものお話を聞いたとして、何をもって子どものことを分かったとするか、また自己決定をしてもらうときに、何をもってそれが子ども本来の自己決定だとするか、私もグルグルしてしまうことがあります。だから色々な専門家との意見が割れたときでさえも、何をもってそのジャッジをするかという視点を持っている人こそSSWなんですかね。しっかりと子どもの選択の理由を捉える立場。
坂本 SSWに求められることは、私は単純にソーシャルワークを知っているのではなく、“スクール”ソーシャルワークを知っているという点なのだと思いますね。やっぱり私は山岳ガイドをイメージして、その子のペースに合わせて、その子の道のりに合わせて、その子の希望に沿った頂上まで、寄り添うだけでなく一緒に歩んでいける力があることだと思います。
途中でその子自身が自分で歩んでいけるようになったら、ガイドはいらないだろうし、必ずしもゴールは頂上じゃなくていいんだとも思います。
寄り添うことはボランティアの方でもとても上手な方がおり、そうだとするならば、困難な山でも歩んでいける体力や技術があってこそ専門職のような気がします。自分のそのスキルや力量があって初めて子どもが登りたい山に一緒に登れるっていうことがあるのだと思います。実習指導者はそんな方でありました。それでいて温かかった。
私ももっと過酷な山(エベレスト?)に登れるようにならないとと思う。もちろん過酷な登山は一人では登れずチームで登ることも必要な時があります。でもある程度の山岳ガイドのできる力量がないと子どもにも失礼な気がして…。
ただ、指導者としてのガイドというよりは一緒に歩けるガイド力という感じですかね。私の目指すSSWrってそんななのかな~って思ってます。実際には(教育者でもあるから)指導が強く出そうになり、悩んでしまうこともあるのですが・・・。とはいえ、そんな悩んできたことだからこそ、数年前とは違って今の自分のスタイルが変わってきている!という点を感じています。どうあるべきか安定してきた感じです。
今後の課題や今後学びたいと思っている方々へコメントありますか
坂本 山岳ガイドのお話をしましたが、まだまだ“福祉”を深めないと「子どもの本当のやりたい」や「本人の真の選択」を見据えて歩んでいけるようになれないとも思ってます。継続して勉強ですね。
佐藤 講座で新しいことを学ぶほどに生まれ変わる自分が楽しかった。“変”だと思うほど。ただの日常より講座に参加することで大きい時間、楽しい時間を過ごすことができました。今後の課題として、次はさらなる実践の場で学びを活かしていくことが課題です。私は人一倍考え込んでしまう点もあるからこそ、過去を書き換えられたことがあったと思います。
今後、学びを検討している方々に対して、多くの方もこれまでの自分を好きになる体験をしてもらいたいなぁって思います。こんなに自分を好きになれるんですよって知ってもらいたいです。
坂本 ちょっと笑える所で、ここで言っちゃいけないのかもしれませんけど。講座の中心となる米川先生の奥さんを知り、ああこの人が選ぶ先生なら大丈夫と思うって感じる面がありました(笑)。また米川先生が指導されてきた学部生の皆さんを見ても実習報告内容や発言内容がすごかったですから信頼できるなあと違うところから先生の良さを感じました(笑)。
私は、職務的にキャリアとして求められるものも大きいんですが、講座では、ベテラン感覚なく初々しく学びをさせてもらう立場を持てて楽しかったです。ただ学びを通じてそうはいってもちゃんとやっていかないとという意識を再認識してますが(笑)。初心的な感じで学びを得られる場であるからこそ、気兼ねなく多くの方に参加いただきたいなあと思います。