理事長あいさつ

理事長 米川和雄

本サイトを訪ねていただきありがとうございます。

本法人は2004年設立から対人援助にちからをいれ2009年度からスクールソーシャルワーカー(以下、SSWr)養成を担ってきました。優に10年を超えています。また私自身もSSWrとして10年間活動し、スーパーバイザーとしても携わってきました。

とはいえ、その実際は失敗続きの歩みでもありました。スクールソーシャルワーク(以下、SSW)実践においてもSSWr養成においても基盤や芯たる部分を捉えるのに10年掛かりました。もちろんこの歩みは止まることはありません。

現在では、多くの自治体に多くのSSWrが配置されていますが、まだまだSSWrが孤立感を持ってしまったり、困難な事態にさらされてしまったりということが見受けられます。

これにはスクールソーシャルワーク(SSW)そのものが自治体によって異なる形態であり、その形態故に定着するのに時間がかかること(定着したと思ったら他へ転職してしまうこと)、非常勤勤務の方々が多いこと、人によって様々なSSW像がありSSWr同士の一致(相互の了解)が難しいことがあること、そしてまだまだ教育領域にSSWが浸透していないことなどが指摘されています。

しかし、ソーシャルワーカーはどのような場においても柔軟であること、資格に関係なくソーシャルワークを求められるならばその最低限一致する基盤を理解すること、その地位を少しずつ確保していくことなどが求められています。これらの点は本法人でも理解している点ですが、それを超える困難さがときに立ちはだかることもあり、職能団体との連携を大切にしている点でもあります。

本法人のSSWr養成講座では、先端的情報はもちろんのこと、他にない基盤学習(例えば、社会科学の視点や生物心理社会的アセスメント・アプローチ等)は10年以上の専門性の蓄積から押さえるものを提供しています。

ただ、それ以上に自身のストレングスを理解すること、他者のストレングスを大切にすることという多様性の尊重を礎とし、人々のあるがままを享受し希望(緩和)を見出すエンパワメントのアプローチを芯として大切にしています。

さらにどのような困難な状況をも乗り越えられる(又は耐えうる)ためのソーシャルワーカー等の研鑽や休憩の居場所となることなど、その芯たる専門性を身に着けるだけでなく、修了後の研鑽や居場所として機能するような養成の場をも目指しています。

コロナ禍で各団体が動けない中、早期にSSWr等支援のオンライン研修等を開催したのはそのような気概が関係しています。

ところで、以前「スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーになる方々は、学校嫌いだったり教員に対してよいイメージがないことの割合が少し多いことがありませんか?」、そんな問いかけをしてくれた先生がいました。そして「教員になりたい人が減っているのは事実なのですが、それでも教員になりたいと思う人たちは恩師に出会いそのような教育を目指すという肯定的な意味合いの方が少なくないような気がするのですが・・・」と言われたことがあります。

いろいろと反芻させられるところはありましたが、ここで本法人でも大切にしなければならないと思ったのは『恩師とまではいかなくとも素敵な専門職(SSWr等)に出会い、そのような専門職を目指したいと思っていただける場づくり』です。

以上のような場を作るべく、設立から約18年となる私共の法人個性豊かで人間味あり、ときに情に熱く涙もろい、多くの仲間とともに皆様とお会いする時を楽しみにしております。

投稿日:2021年5月19日 更新日:

執筆者:

子どもの幸せを考え

子どもの幸せを考え

子どものことを考えると家庭や学校のことを考えるようになり、それらを考えていると地域や制度のことを考えるようになります。ソーシャルワーク的に生物ー心理-社会と環境モデルです。

特定非営利活動法人エンパワメント
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